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京都の設計事務所「齊藤誉征アトリエ」の日記です。
by a_takayuki_saito
上海 1933老場坊
1月の中頃、建築の視察、そして、ゲストハウス事業の視察ということで上海に行ってきました。
とにかく、街に活気、人の多さ、様々なもののスケールの大きさが印象的でした。

建築の視察ですが、特に印象に残った施設、「1933老場坊」の写真をアップします。
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「1933老場坊」は、上海虹口区沙涇路にある元々家畜屠殺場だった建物で、2007年のリノベーションにより、ギャラリーやショップが入るおしゃれなスポットに生まれ変わったようです。(ただ、テナント料がかなり高いらしく、空きテナントも目立っていましたが。。。)

この建物、1933年の建設当時は世界的に見ても、最も大きな家畜屠殺場のひとつだったようで、設計はイギリスの有名建築家Balfoursという人物とのこと。
使用されたコンクリートはイギリスから輸入されたようです。コンクリート壁の厚さは約50㎝。壁は中空となっているそうで、断熱的に有利で、夏でも比較的低い温度が保てるように設計されているとのこと。
建築構成は、ロの字型の建物が外側にあり、その中心に24角形の建物を配したものとなっています。中国の風水の「天は円く地は方形」という伝統的理念にも合致しているようです。
構造的には梁のないフラットスラブ工法で設計されており、300本あまりの上部が傘状になった柱が均等に配され、巨大な建物を支えているという面白さがあります。
意匠的には、形状の異なるいくつもの渡り廊下がこの空間を陰影の深い変化に富む印象を与えていますが、当時、家畜をこの渡り廊下から屠殺エリアに入れていたらしいですが、異なるサイズの牛を異なる廊下から入らせ、異なる屠殺エリアに導くため、廊下幅が異なるという機能的な設計意図があるようで、そういった意味からもこの複雑な造形が説得力のあるものになっているのかと思います。

ダイナミックで変化に富んだ空間だけに目がいきがちですが、非常に緻密な設計思想があるようです。


<せっかくですので中国語でも↓>

1月中旬,為了視察中國飯店業務和中國建築到訪上海。
市街上充滿活力的人潮和各式各樣建築,其規模之龐大而留下了深刻的印象。
在視察的過程裡,我將其中印象最為深刻的『1933老場坊』的照片上傳。

『1933老場坊』原本是上海虹口區沙涇路的一家宰牲場的建築,於2007年改建為內有畫廊、店鋪等矚目的地區
(只是由於店租過於昂貴,有許多空的店面較為顯著........)

這間建築在1933年代裡,屬於全球規模最大的宰牲場之一,設計師為有名建築大師Balfours。
所用水泥特地從英國專運,水泥牆壁厚度大約50公分,牆壁內部為中空,有利於隔熱,夏天可保持降低溫度的效果。

建築外圍構造為口字形,中心為24角形。完全符合於中國風水傳統『天圓地方』的理念。
採用無梁平板构造的方法而設計,上部用300多根的柱子均等主裝成傘狀,將巨大的建築由下支撐而起。

形狀各異的多處走廊給予人整個空間有著變化多端的陰影效果,
當時就是從這走廊引進家畜到各個屠宰區, 為了將體型大小不同的牛引進走廊,再將其引進各個屠宰區,
所以各個走廊的寬度不一而結構複雜,就具備了相當的說服力。

一般人可能比較容易注意到變化多端的空間,可內含著非常細緻的設計理念。


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是非、上海に行かれた際には見学してみて下さい。

若有機會到上海,請務必到此地參觀。
by a_takayuki_saito | 2016-02-23 03:27 | 建築
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